よい税理士と巡り合うにはどうすればいい?選び方や探し方を徹底解説

良い税理士の選び方

経営で困ったときや各種税金の手続きなど、税理士は強い味方になってサポートしてくれる存在です。そのため、法人経営者や個人事業主にとってはより優秀な税理士を雇うことが重要になります。ただ、税理士によっては仕事ぶりが良くなかったり、誠実ではなかったりと期待したようなサポートを受けられない場合もないとはいえません。そこで、本記事では良い税理士を見つけるためのポイントや依頼可能な仕事内容について解説します。

INDEX

税務業務だけではない?税理士に依頼できる仕事内容

税理士の主な仕事は税務に関する相談や手続きの代理、書類作成で、こういった業務は税理士だけができる独占業務となっています。経験から税にも詳しくなったという人もいるかもしれません。しかし、税理士の資格を取得していなければ、無料であっても、実際に誰かに対してこれらの業務を行った場合、税理士独占業務の侵害になってしまいます。

税理士の仕事内容は税務関係以外にもあり、経営計画書の作成、資金調達のサポートといった経営コンサルタントも重要な仕事のひとつです。お金のプロである税理士から経営面でサポートしてもらえれば、会社の利益にもつながります。そのため、税理士に仕事を依頼する際には経営のパートナーになってもらえるかについても考慮して選びましょう。

ニセ税理士に注意!質の悪い税理士の特徴とは

税理士といってもすべての人が質が高いわけではありません。なかには明らかに質が悪い人もいます。ただ、税理士という専門性が高い仕事であることから、素人にはそれを判断しにくいのが現状です。ひとつの判断方法としては、税制改正についての質問をしてみることがあります。もし、その質問にうまく答えられなかった場合は、あまり良い税理士とはいえないでしょう。

また、税理士資格を取得していないにもかかわらず、税理士業務を行っているニセ税理士もいるので注意が必要です。税理士法第52条によると「税理士業務は税理士資格を保有する人にのみ許される」となっています。ニセ税理士に仕事を任せてしまうと意図せず脱税につながったり、税理士に作成してもらった書類だと認められなかったりする可能性もあるため、依頼する前に必ず「税理士登録番号」を確認しましょう。判断基準として、税理士に依頼する費用が相場より極端に安い、依頼できる仕事内容の範囲が狭すぎるといった場合には、ニセ税理士の可能性が高いと疑っても良いでしょう。

幅広い視点が必要!税理士を選ぶときのチェックポイント

きちんとサポートしてくれる良い税理士を選ぶには、税理士としての能力以外に人柄、報酬などさまざまな視点からチェックしなければなりません。そこで、こちらでは税理士を選ぶ際にチェックするべきポイントについて解説します。

1.目的にあったサービスを提供しているかどうか

税理士を選ぶ際には「自分の目的に合っているかどうか」が優先するべきチェックポイントです。たとえば、目的にするものとして、節税、経理業務の手間の削減、経営のサポートなどが挙げられます。ただ、税理士すべてがこういった仕事内容を得意としているわけではありません。得意分野、苦手分野が大なり小なりあるため、その税理士が対応しているものを事前に確認しておくほうが安心です。

節税を目的としている場合、依頼人の立場になってアドバイスをくれる人であれば良いですが、依頼人側ではなく、税務署側の立場になって物事を進めようとする税理士も存在しています。もし依頼した税理士が後者であれば、節税に対して協力的にならない可能性もあるでしょう。

2.レスポンスが早いかどうか

知識が豊富な税理士だったとしても、レスポンスが遅ければ業務に支障が出る可能性があります。すぐに返答が必要な緊急性の高い質問をしたのに、返事がきたのは3日後になるようでは困ってしまいます。レスポンスが早い税理士かどうかの判断は顧問料などの見積もりを依頼したときの対応を見るとわかりやすいです。

例外として、年末調整(11~1月)や確定申告(2~3月)、法人の税務申告(4~5月)時は税理士の繁忙期なので対応が遅くなってしまう場合があります。ただ、見積もりを出すまで時間がかかるかもしれないことは先に伝えられるため、依頼したときにきちんとそれを伝えてくれる人かどうかをチェックすると良いでしょう。また、担当になる税理士とメールや電話で直接やりとりできるかどうかの確認もしておくほうが無難です。

3.節税について提案してくれるかどうか

「税金を正しく納めること」をサポートするのが税理士の本来の役割であるため、節税したいと伝えても消極的な人も少なくありません。サービス業であることを意識している税理士は節税についてもサービスのひとつとして考える傾向があります。節税に効果的なのが決算対策で、月次の試算表の作成や期末決算時の税額の計算をしたうえで、税額が大きくなりそうであれば予算消化などを行うというわけです。

ただ、節税対策について税務署から指摘されることがあるため、そういったリスクも含めて節税についての質問に具体的な説明をしてくれるかどうかはチェックポイントになります。きちんと具体的な説明があれば、節税に前向きに取り組む姿勢があると判断できるからです。

4.経験や知識が豊富かどうか

税理士の経験・知識によって必要なアドバイスやサポートを受けられるかどうかが変わるため、その点は要チェックポイントです。たとえば、事前確認するべきこととして、依頼人である自分の業界・業種に関しての理解、資金調達の経験の豊富さ、相続税など得意分野・経歴があります。特に、自分の業界や業種に詳しいほど、より具体的にアドバイスをしてもらうことが可能です。専門分野や経歴については税理士事務所のホームページにあるプロフィールを確認するほか、電話や面談時に直接聞くことができます。また、セミナーや出版物などがあればそちらで得意とする専門分野を判断しても良いでしょう。

5.人柄に問題がないかどうか

依頼後はさまざまな面でアドバイスを求める機会もあることを考慮し、「親身になって話を聞いてくれる」「丁寧な言葉使いで説明してくれる」など、税理士自身の人柄について確認するのは重要ポイントです。第一印象で人柄を判断するのは良くないと考える人もいますが、長いつきあいになる可能性がある場合、第一印象こそ重要になります。第一印象は相手との相性を見るヒントになるからです。

税理士のなかには仕事に対するプライドの高さから上から目線の態度になってしまう人もいます。実際に能力がある人であったとしても、対応が不誠実ではうまくやっていくのは難しいです。「面談に備えて事前準備をしているか」「税理士からの質問があるか」は、その税理士が仕事に対してどの程度熱意をもっているのかを判断できる材料になります。

報酬の金額が高いと感じた場合はすぐに契約せずに保留にしておくのが無難です。報酬については各事務所で自由に設定できるため、複数の税理士事務所の料金を比較すると数万円の違いが出ることもあります。ホームページなどで料金を明確に記載しているところは信用しても良いでしょう。注意したほうが良い税理士事務所は「料金表がない」「極端に料金が安すぎる」といったところです。

料金表がなければ、顧客に必要以上に高い請求をする場合がありますし、極端に料金が安すぎるところはニセ税理士だったり、追加料金が発生したりする可能性があります。ちなみに、税理士に依頼する際にかかる費用は「税理士報酬」や「顧問料」です。ほかの税理士事務所にも見積もりを出してもらい、適正な料金を知ったうえで契約をするのが重要になります。

自分で探す?紹介してもらう?税理士の探し方

税理士の選び方のポイントが理解できたら、実際に依頼できる税理士を探しましょう。

1.自分で探す

税理士の探し方には近所の税理士事務所をインターネットなどで調べてから、電話やメールでアポイントをとるという自力で探す方法があります。無料面談をしているところであれば、最初に事務所の雰囲気や税理士自身の人柄、料金などをチェックするのにぴったりです。インターネットは足を運ぶことができる複数の税理士事務所を見つけられるので、比較してからより良い税理士に依頼できます。ただ、個人で面談のスケジュール調整や費用の交渉などをしなければならず、手間がかかってしまうのがデメリットです。仕事で忙しい場合は電話での問い合わせがしにくい可能性がありますし、電話での接客を確認できないとなれば判断材料が1つ減ってしまいます。

2.知人や銀行から紹介してもらう

知人や銀行などから税理士を紹介してもらうことが可能であれば、探す手間を省けます。しかも、第三者から評価されている税理士であるため、信用性も高いです。利用したリアルな体験談を聞けるので判断材料が多く、選んだ税理士が不誠実だったなど失敗しにくいのが良いところといえるでしょう。

ただし、知人からの紹介の場合、自分には合わないと感じても断りにくいというデメリットがあります。知人にとっては良い税理士だったとしても、自分とは相性が悪く、依頼に適していないという場合もないとはいえません。銀行や保険会社から税理士の紹介をしてもらうことも可能です。ただ、こちらも取引上の利害関係が絡んでいるケースが多く、必ずしも良い税理士とは限らないのがネックになります。

3.税理士紹介会社を活用する

税理士を紹介してくれる「税理士紹介会社」もあります。こういった紹介会社であれば、全国各地にいる税理士のなかから自分のニーズに合っている税理士を紹介してもらうことが可能です。しかも、自分で探す手間がなく、報酬についての交渉も代理でしてもらえます。また、税理士紹介会社は顧問契約をしてから一定期間内に契約解除された場合、会社の利益がなくなってしまうのが特徴です。そのため、紹介する税理士を厳選し、評判が良い税理士を多く抱えている傾向があります。ただ、紹介会社に登録している税理士が自分と相性が良いとは限らないので、最終判断は自分で行わなければなりません。

税理士探しで迷ったら税理士紹介会社にご相談を

税に関してさまざまなサポートをしてもらう税理士選びは、事業の成功につながるかどうかに大きく影響するものです。本記事では良い税理士の探し方のチェックポイントをまとめたので、自分にとって相性が合う税理士を見つけましょう。ただ、自分で探したり、知人に紹介してもらったりするのが難しい場合もあるので、税理士探しで困ったことがある場合には税理士紹介会社に登録するのもおすすめです。