サラリーマンで確定申告が必要なのはどんなとき?気になる税理士費用も紹介
通常、サラリーマンは会社側で所得税を源泉徴収して年末調整を行うことで所得税の納税手続きが済んでいるため、自分から確定申告を行う必要はありません。しかし、サラリーマンでも確定申告が必要な場合や、確定申告をしたほうが良い場合があります。今回は、サラリーマンでも確定申告が必要な場合、もしくは確定申告をしたほうが良い場合についてと、税理士に確定申告を依頼した場合のメリットとその費用などについて紹介します。
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サラリーマンで確定申告が必要になる場合
サラリーマンでも確定申告をする必要がある場合は、まず2つ以上の事業所から給与を受けていてどちらも源泉徴収の対象となる場合や、副業で20万円以上の所得がある場合、給与が2000万円以上の人の場合です。2つ以上の事業所から給与を受けている場合には、すべてを合算して確定申告をする必要があります。副業をしている場合には、収入から必要経費を差し引いた金額(所得)が20万円を超えていれば確定申告が必要です。メルカリなどで不用品を売って利益を得ている場合も副業といえますが、不用品の売却は非課税所得なので基本的には申告は不要です。
ただし、1点が30万円以上の貴金属・美術品を売って得た所得は譲渡所得となるため、課税対象となるので注意しましょう。
株取引をしていて源泉ありの特定口座を指定していない人や、仮想通貨取引をしている人のうち、給与所得や退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合も確定申告が必要です。そして、給与が2000万円以上の人も、会社で年末調整が行われないので自分で確定申告をしなければなりません。給与や副業の収入以外についていえば、まず不動産を売却して所得を得た場合に、確定申告が必要となります。不動産売却による所得は譲渡所得となり分離課税になりますが、所有期間によって税金の計算式が変わります。
ただし、不動産がマイホームである場合には特例があり、譲渡益が3000万円までは税金がかかりません。所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合、それに加えて軽減税率の適用を受けられます。
保険の満期金を受け取った場合にも、一時所得となるので確定申告が必要です。受け取った保険金から払込保険料と特別控除額(最高50万円)を差し引いて、その金額が20万円以上であれば確定申告をする必要があります。
また、前年度に110万円を超える贈与を受けた場合には、贈与税の申告が必要です。
サラリーマンで確定申告をしたほうがよい場合
サラリーマンで特に確定申告をする必要はなくても、確定申告をしたほうが税金の還付を受けられたり、税金が免除されたりすることがあってお得になる場合があります。一番多いケースは、医療費控除が受けられることでしょう。自分および生計を同一にする親族の医療費の合計が年間10万円を超えている場合には、医療費控除の対象となります。病院やクリニックで支払った診察費、治療費、薬代だけでなく、通院に使った交通費やタクシー代なども含めることが可能です。
また、ふるさと納税などの控除対象となっている寄付を行った場合には、寄附金控除が受けられます。
次に、株取引やFX取引で損失が出てしまった場合です。損失があっても、複数の証券会社の口座で取引をしていて利益の出ている他の口座があれば、損益通算といって利益から損失を差し引くことで所得税を軽減させることができます。もしすべての口座を通算しても損失が残ってしまう場合は、確定申告を行うことで以降3年間は株式やFXの取引による利益や配当利益と損益通算することが可能です。
また、もし年末調整のときに扶養家族やマイホームの取得、配偶者との死別または離婚などについての書類提出を忘れていた場合には、確定申告で提出することで税金を取り戻すことができます。
次に、年の途中で退職をした場合ですが、再就職をした場合には新しい会社に前の会社の源泉徴収票を提出すれば確定申告の必要はありません。しかし、源泉徴収票を提出していなければ確定申告をしなければなりません。結婚や出産によって再就職をしなかった場合には、年末調整を行っていないので確定申告をすることで税金の還付を受けられる可能性があります。
最後に、災害や盗難などの被害を受けた場合には、確定申告をすることで所得税が軽減されます。被害の内容や被害を受けた人の所得状況により、雑損控除あるいは災害減免法が利用可能です。
確定申告を行う期間
所得税法においては、前年1月1日から12月31日までに生じた所得を集計し、翌年2月16日から3月15日までに確定申告を行って所得税を納めることが定められています。申告期限の最終日が土日祝日の場合には、その翌日の平日が期限です。確定申告書の提出方法には、住所地を管轄する税務署の窓口へ提出、郵送、時間外収受箱への投函、e-Taxでの電子申告の4種類があります。
還付申告を行う期間
還付申告とは、確定申告をする義務のない人が、納めすぎた税金の還付を受けるための手続きのことです。確定申告と混同しやすいかもしれませんが、確定申告のほうは申告する義務のある人が所得を計算して納税額を申告する手続きであって、税金が還付されることはありますが必ず還付されるわけではありません。還付申告を行える期間は、還付が発生する年の翌年1月1日より5年以内です。5年以内であれば季節を問わず、自分の都合の良いときに申告できますが、5年を過ぎてしまうと時効となってしまいます。
還付金の受け取り方法は、最寄りのゆうちょ銀行や郵便局で直接受け取る方法と、指定の預貯金口座へ振り込みを依頼する方法があります。ただし、一部のインターネット専用銀行は還付金の振込先として指定できないので、先に確認しておきましょう。
税理士に確定申告を依頼する場合にかかる費用
サラリーマンの場合、通常は確定申告を行う義務がないため、急に申告の必要に迫られても勝手がわからず戸惑う人も多いのではないでしょうか。正しく確定申告をするにはある程度の税務知識がいりますし、時間や手間もかかってしまいます。そんなとき、頼りにできるのが税理士です。自分の力で確定申告を行う自信のない人は、税理士に依頼するのも1つの方法でしょう。
税理士を依頼する場合に気になるのが費用です。費用は白色申告と青色申告の場合で異なりますが、サラリーマンの場合には白色申告となります。サラリーマンの白色申告は医療費控除やアルバイトなどの副業の収入の申告などの簡単な手続きが多いため、費用は3万円程度が相場です。少し勉強すれば自分で申告書類を作ることもできるので、作成した書類のチェックだけを依頼すれば、もう少し費用が抑えられるでしょう。
株式やFXなどの配当所得、ふるさと納税がある場合、不動産を売却した場合など、申告に必要な事項によってオプション料金がかかります。費用について不明な点は、依頼を考えている税理士に問い合わせて明確にしておきましょう。
確定申告書を作成する時間がない場合は税理士に依頼しよう
確定申告は定められた期限までに、申告書類を作成して提出しなければなりません。もし期限に遅れてしまうと、無申告加算税や延滞税を課されてしまいます。サラリーマンであれば、会社の仕事をしながらプライベートで書類を作成することになりますが、忙しくて時間がない場合には税理士に依頼すると良いでしょう。税理士紹介会社を利用することで信頼のおける税理士を探すことができますので、活用してみてはいかがでしょうか。