クラウド会計のメリット・デメリット|税務調査対策や節税には税理士が必要
事業や日常業務で利用される各種ソフトの多くがクラウド化されています。会計ソフトも例外ではなく、そのクラウド化は急激に進んでいます。とはいえ、税理士がまったく不要になるわけではありません。クラウド会計は便利ですが、デメリットがあることも知っておく必要があります。そこで、ここでは、クラウド会計のメリット・デメリットの解説と、代表的な3つのクラウド会計ソフトの特長を紹介します。
INDEX
クラウド会計には多くの便利な点がある反面、いくつかの不便さもあります。この項目では、クラウド会計を導入するメリット・デメリットについて解説します。
クラウド会計導入のメリット
クラウド会計の主なメリットは、次の5点です。
1.銀行口座やクレジットカードとの連携が可能
銀行口座やクレジットカードとの連携によって、取引明細の自動仕分けが可能になります。従来の方法では、経理担当者が銀行やクレジットカードの取引明細記帳を手入力する必要がありました。この作業は煩雑でミスが許されません。そのため、担当者には強いストレスがかかり、作業効率も悪くなりがちです。
自動仕分けができるクラウド会計を導入することで、記帳業務の大幅な削減が可能になり、担当者のストレスが軽減され、作業効率の改善が期待できます。
2.クラウド上に会計データを保管できる
クラウド上に会計データを保管するこの機能によって、パソコンの故障などによるデータ消滅のリスクが減少します。
3.最新の法改正に対応したアップデートが可能
クラウド会計では、会計に関する法改正が行われた場合に自動でアップデートしてくれます。そのため、アップデートを忘れても心配ありません。
4.どこでも記帳や確認ができる
インターネットに接続さえできれば、記帳や確認といった作業をどこでも行えます。出張先から経費を記帳したり、自宅で修正作業を行ったりできます。また、多くのクラウド会計ソフトがスマホやタブレットにも対応しています。
5.データの共有が可能
アカウントを共有するだけで、データの共有も可能になります。従来の方法では、会計に関する多くの書類を税理士に郵送したり、FAXで送信したりする必要がありました。クラウド会計では、税理士とアカウントを共有することで、このような手間が省けます。
クラウド会計導入のデメリット
クラウド会計の主なデメリットは、次の5点です。
1.操作に慣れる時間が必要
従来のインストール型会計ソフトと操作方法が異なることです。そのため、個人差はありますが、操作に慣れるまで若干の時間が必要になります。
2.自動仕分けができない場合がある
自動仕分けによる記帳業務の削減という、クラウド会計のメリットが得られない場合があります。学校法人・社会福祉法人・宗教法人などの各種法人や、現金取引が多い業種にありがちなデメリットです。
3.インターネット環境が必要
インストール型と異なり、インターネットに接続可能な環境でないと利用できません。また、インターネット回線などが良好でない職場でも利用が制限されます。
4.導入時の設定が簡単ではない
クラウド会計では、導入時の設定が簡単ではないことが多く、特に自動入力や自動仕分けの初期設定には、一定のスキルが必要になります。
5.対応できる税理士が少ない
クラウド会計の急激な普及に税理士側が追いつけず、その多くがインストール型の会計ソフトを利用しているのが現状です。
代表的なクラウド会計ソフトの特長
代表的な法人向けのクラウド会計ソフトは「弥生会計オンライン」「freee」「マネーフォワードクラウド会計」の3つです。それぞれの主な特長は、次の通りです。
弥生会計オンライン
弥生会計オンラインは会計ソフトの老舗企業が運営しています。その特長は、銀行明細やクレジットカードなどの取引データの自動取り込み、日々の取引の自動集計やレポートの管理、データ移行の簡易さなどです。そのため、弥生会計ソフトのインストール型からクラウド型に移行するユーザーが少なくありません。その点が、弥生会計オンラインの市場シェアが高くなっている理由の1つです。
freee
freeeは、幅広いユーザーの支持を集めるクラウド会計ソフトです。経理初心者でも使いやすいインターフェイスが採用され、仕訳作業や入出金管理から確定申告までをスマホアプリで完了できます。また、定期請求や一括請求対応を採用することで、請求書業務の削減が可能になります。
マネーフォワードクラウド会計
マネーフォワードクラウド会計は、多くの経理担当者の支持を集めるクラウド会計ソフトです。各金融機関と連携したうえで仕分けや決算書が作成でき、他の会計ソフトやエクセルデータのインポートも簡単に行なえます。セキュリティーレベルが高く、その点も多くの経理担当者の支持を集める理由の1つです。
税理士紹介会社でクラウド会計に詳しい税理士を探そう!
クラウド会計ソフトは、試算表や売上レポートの作成にも強みを発揮します。ただし、税務調査対策や節税に関する判断はできないため、どうしてもクラウド会計にも詳しい税理士が必要です。
とはいえ、デメリットの1つに挙げられるほど、クラウド会計に詳しい税理士は不足しています。そのため、そういった税理士を探すことになりますが、その際には効率的・効果的に探し出せる税理士紹介会社の利用がおすすめです。